特集:サザン・ロック
サザン・ロックといえばオールマン・ブラザーズ・バンド !! 名作『ライヴ・アット・フィルモア』でのブルージーで熱い長尺な演奏バトルが思い出されます。
そして、オールマンのギタリストであり、惜しくも若くして亡くなった伝説のギター・ヒーロー、デュアン・オールマン。 彼もまたサザン・ロックを語る上で、必ず出て来るミュージシャンです。
また、ブリティッシュ・ハード・ロックとのうまいブレンドで、タフなロックを作りあげたレーナード・スキナードも、サザン・ロックには欠かせません。
どうもサザン・ロックというと、ブルージー、ルーズ、かつタフでハードな部分が、その評価の主な指標とされて来たように思えてなりません。
実際私自身、長い間サザン・ロックとはそんなものだというイメージを持ち続けていました。 しかし、南部の人も、それだけしか音楽を持ち合わせていなかったわけではありません。
カントリーはもちろんの事、ソウルもあればジャズもポップスももちろんあって、それをうまく吸収して独自のサウンドに昇華した、優れたサザン・ロック・バンドもいくつか存在したのでした。
とはいえ、先程の指標からすれば、これらのバンドはヘタをすれば軟弱であったり、いまいちもの足りない、豪快さが足りないという評価を下されてしまう事もあったかもしれません。
現に、未だにそういった特徴を持つバンドがふみこんだ形で紹介されていないのは、やはり固定されたサザン・ロックのイメージが原因であるように思われます。 しかし、そんな彼らの音楽をあえて南部にこだわって表現をするとすれば、それはアットホームな温かさであり、素朴な軽やかさであり、のんびりとした中にも、じっくりと作りあげる誠実さである、と言えます。
ポップスのセンスの中にある親しみやすさ、ジャズ、ソウルの中にある洗練された都会的センス、それらを包みこむカントリーな田舎人、南部人気質。
今回はそんなところから、2つのサザン・ロック・バンドを紹介していきたいと思います。
ジャケット
Allman Brothers Band
At Fillmore East
熱いインタープレイの応酬。 ライヴの超名盤。 その強烈な世界に拒否反応を示す人もいるのも確か。
ジャケット
Duane Allman
An Anthology
セッションワーク等を通して彼の魅力に触れられる好編集盤。
その1 The Marshall Tucker Band
ソウルやジャズもさらりと取り込むのに、田舎臭さぷんぷん。 愛すべき南部の実力派。
その2 Atlanta Rhythm Section
何と元はソフト・ロック・バンド。 でも、なめたらいかん。 南部魂バリバリ、ライヴもすごい、素晴らしき職人バンド。
前ページ「Good Music Review とは?」へ「Good Music Review」 表紙ページへ次ページ「マーシャル・タッカー・バンド」へ