【御礼】当ページの企画はご好評いただいて終了しましたが、ご参考までにアーカイヴとして残してあるものです


「甦る!大井武蔵野館魂」の会 presents
失われた映画を求めて★第2回上映会

当会では、今やシネマノヴェチェントのような、数少なくなった「フィルム上映が可能な映画館」でしか観ることの出来ない【未DVD化の日本映画】の上映を企画していきます!
【丸根賛太郎監督祭】特別2本立て
2016年2月13日(土曜日)→19日(金曜日)
横浜・シネマノヴェチェントにて
tel.045-548-8712
http://cinema1900.wix.com/home

↑「春秋一刀流」1939年封切当時の映画館のチラシより
片岡千恵蔵・轟夕起子

↑「エンタツちょび髭漫遊記」
横山エンタツ(右)・岸井明(左)
■上映時間
2/13(土)午後2時~
【この日のみ、上映終了後にトークイベント「山中貞雄の再来、丸根賛太郎を語る」開催】
小野善太郎(元・大井武蔵野館支配人)+下村健(映画ライター)
※貴重な戦前時代劇の断片の上映もあり。「丹下左膳余話 百万両の壷」の欠落していたシーンや、「磯の源太 抱寝の長脇差」「怪盗白頭巾 江戸の巻」「浪人街」などのチャンバラ・シーン。
この手の資料映像としては定番ですが、本来のスクリーン上映で観れる機会はなかなか無いと思いますので、ぜひどうぞ。ちなみに、残席タップリ(笑)(泣)

2/14(日)のみ正午12時~
2/15(月)から2/19(金)は午後2時~
2/17(水)と2/18(木)は夜7時~の回もあり

■ご鑑賞料金
2本立てで、1,500円均一
ただし、トークイベント開催の2/13(土)のみ3,000円(前売2,500円)
さらに当日は終了後に懇親会もあり 会費4,000円(料理セット+フリードリンク3杯付き)
◆春秋一刀流 1939年 日活京都作品
原作・脚本・監督=丸根賛太郎 出演=片岡千恵蔵 轟夕起子 志村喬 沢村国太郎 原健作 香川良介 田村邦男ほか

●戦前の天才監督・山中貞雄が1938年に中国で無念の戦病死(満28歳)を遂げた翌年、25歳の丸根賛太郎は、その山中やマキノ正博、伊藤大輔、伊丹万作らが活躍した時代劇のメッカである京都で颯爽と監督デビュー、お分かりの映画ファンには「山中の再来」とも評されたが、それが決して過言では無いことは、この奇跡的に現存しているデビュー作を観れば、直ぐ分かる。同じく戦前時代劇の傑作・快作である「気まぐれ冠者」「赤西蠣太」「鴛鴦(おしどり)歌合戦」「百萬両の壷」等のファンなら絶対の必見作!
冒頭の近代戦争映画かと見紛うショットから、喜劇的要素もふんだんな生き生きした青春映画的描写が続くが、それが徐々に悲劇的色彩を帯びて行くのは、日本が太平洋戦争へと向かう当時の時代背景に思いを馳せるならば哀しくも納得。
当時の先鋭の若き映画監督たちにとって、「時代劇」は決して古臭い装置では無く「髷を付けた現代劇」、いや現代劇以上にヴィヴィッドに現代の真髄を描ける秘密兵器だったのだ。
そしてラスト、(「喧嘩」というよりは)「戦争」への怒りがたぎる斬り込みシーン、その前代未見の画期的なカメラ・ワークまで、とりわけ戦前時代劇に偏見のある食わず嫌いの映画ファンにこそ、新鮮な驚きの連続やで!
これこそ観なきゃソンソン♪ Satisfaction Guaranteed! 乞う、爆買い!

同時上映◆エンタツちょび髭漫遊記 1952年 宝プロ作品(当時は東映配給)
脚本・監督=丸根賛太郎 出演=横山エンタツ 森繁久弥 丹下キヨ子 岸井明 大泉滉 坊屋三郎 益田喜頓 美ち奴 藤島桓夫 久保幸子ほか

●最近発掘された幻の作品(協力:シネマヴェーラ、シネマ▲トライアングル)。戦後作品ながら、今生きているほとんどの人は観たことがないのではあるまいか。
当時の大阪の人気ラジオ番組をモチーフにした映画化作品で、タイトルのようにエンタツが旅する先々に喜劇人や歌手が多数出演して(エンタツ以上に周りが)盛り上がるという娯楽作品ながら、唖然としてしまうほど大人数のモブ・シーンを始め、傑作「春秋一刀流」や戦後の快作「天狗飛脚」を彷彿させる描写も多く、思わずニコニコ。
「鴛鴦歌合戦」の如きオペレッタ時代劇としても大いに楽しめちゃうし、歌う深水藤子(いや、服部富子かな)みたいな「久保幸子」を発見する悦びもある逸品。若き日の丹下キヨ子のキレがあって流麗に踊るような立ち回りはチャン・ツィイーを連想させたりもして目を見張るゾ♪
※以上2作品共に現存する貴重な16ミリ・フィルムの上映となりますが、タイトル部分の差し替えや欠落部分のほか、お見苦しい点も多々あるかと思います。
特に「エンタツちょび髭漫遊記」では一部シーンの順番に乱れのある箇所もありますが、これは一巻きに繋がっている元々の16ミリ・プリントの状態そのままであり、当方では手を入れることが出来ません。あしからず、ご了承くださいませ。

→実際には「エンタツちょび髭漫遊記」のフィルム・トラブルもあり、大変にご迷惑をお掛けしましたが、それを修復する際に上記シーンの乱れを直すことが出来ました
【当会の趣旨】
すべての映画はDVD化されている、という大きな誤解がある一方、DVD化されていなくても上映用フィルムさえ残っているなら映画館では上映出来るはずだったのが、今や大半の映画館は映写システムのデジタル化に伴ってフィルム映写機を廃してしまったので、上映したくてもフィルムでは不可能、という事態になっています。
せっかく残っている貴重なフィルムも、映画館のスクリーンに映されなければ、存在して居ないのと同じこと。

しかし、今ここにある奇蹟!
昨年、横浜にオープンした個人経営の映画館・シネマノヴェチェントは狭いスペースながら、デジタル映写システムはもちろん、35ミリおよび16ミリのフィルム映写機も備えた本格派であり、しかも小人数でも熱心な映画ファンに寄り添う上映プログラムの連続。
ここでなら「(いわば)失われた映画」も甦ることが出来る、と当方で企画して実現した昨年秋、第1回目の「虹をわたって」(未DVD化作品、前田陽一監督、天地真理主演)の上映は、おかげさまで好評いただきまして、このたび第2回上映企画の実現に至りました。しかも、この映画館も何とか存続しまして、開館1周年記念となるプログラムの一環です。

ちなみに、これを企画している私・小野善太郎が支配人を務めていた「大井武蔵野館」は東京の品川区にあった名画座ですが、残念ながら1999年に閉館してしまった後、私は映画館とは縁遠くなっていました。が、このシネマノヴェチェントがオープンして通うようになってから、そこで当時のお客さまと再び接することも多々あり、一般的には知られざる日本映画の面白い作品をこそ観せたいという「大井武蔵野館魂」が甦って来た次第です。

かつて、そこで私自身も初めて出逢った日本映画の傑作は数多いですが、その中から多くの方に観ていただきたい作品として、今回は私が生まれる以前の映画を2本立てで上映します。特に「春秋一刀流」は戦前の1939年(昭和14年)の作品で、今から76年以上も前となりますので、監督や主演者はもちろん、リアル・タイムでの観客の大半もこの世には居ない訳ですが、こうして残っているフィルムを(その本来の居場所である)映画館で上映するならば、作品は永遠に生き続ける、という気がします。

とはいえ、それを観ていただける方が居なければ、やはり映画は存在しないのと同じ。

もっとも、決して懐古もしくは回顧のための企画ではありません。かつて私が最初に出逢ってカルチャー・ショックを受けた時のように、新作映画以上に新鮮な作品を、特にこうした映画を知らない若い方にこそ「(世界の黒澤明や小津安二郎らの監督作品だけではない)日本映画」に出逢ってもらいたいという想いを込めて上映するものですので、広く映画ファンの皆さまに届きますように…

トップページに戻る