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[欄外コラム(6)] 2種類のライヴ盤における加橋かつみのウエイトの相違 [欄外コラム] のINDEXへ
1967年8月22日録音の『ザ・タイガース・オン・ステージ』 1967年12月13日録音の『The Tigers A Go! Go!』
当時より各種テープ類では発売されていたとはいえ、2000年になって『パーフェクトCDボックス』のミレニアム・エディションに完全収録されたことで、ようやく一般的に聴けることになった1967年12月13日のチャリティー・ショーのライヴ音源 『The Tigers A Go! Go!』。
もっとも、同年8月22日のライヴもファーストLP『ザ・タイガース・オン・ステージ』として発売されており、この間は4か月の差しかないので、曲目も演奏も大きくは変わらないのだが、ここでしか聴けない曲もあり、また、ファーストLPとは異なってMC等も含めてラフな編集なので、よりライヴらしい雰囲気が味わえる貴重音源だ。

しかし、もっとも興味深いのは、加橋かつみの存在が目立つことである。
いや、というよりも、むしろファーストLPの方では意図的に加橋の存在を隠すような編集が成されていたのではないかと、これを聴いて初めて思ったわけです。

もちろんタイガースにはヴォーカル専門の沢田研二がいるのだが、コンサートでは他のメンバーもヴォーカルを取るという見せ場があったようで、あくまで初期のタイガースは沢田研二+バック・バンドというつもりではなかったはず。
しかも、加橋のハイ・トーンの声質は際立っており、また岸部修三の低音とのコントラストも鮮やかで、これにより、他のGSを凌駕するタイガースならではの幅広いコーラス・ワークを形成し得ていることは、後のシングル「花の首飾り」や「廃虚の鳩」、また、とりわけ「廃虚の鳩」を含むアルバム『ヒューマン・ルネッサンス』を聴けば一目瞭然だ。
そして、それはこのチャリティー・ショー音源でも同様で、ごく当然のようにタイガースが5人組のグループであることが示されている。
森本太郎のリード・ヴォーカルだけは聴かれないが、加橋や岸部、そして瞳みのるが唄う場面はもちろん、他では聴けない加橋のMCも収録されている。

ところが、あらためて『オン・ステージ』の方を聴いてみると、岸部のリード・ヴォーカル曲は収録されているのだが、加橋の歌は無い。
さらには、コーラス部分でも加橋の声は小さめにミックスされているようさえ聴こえる(ま、加橋のハイ・トーンが突出しないので、整っていると言えなくもないが)。
もちろん加橋のMCも無いが、とにかく、そのために印象はかなり異なる。 少なくとも、こちらのレコードを聴いて、加橋の存在感を感じる人は皆無に違いない。
とにかく、何らかの理由があり、敢えて、そのように編集されたと思えるのだが…。
もっとも、加橋が(その声質から)得意としたのはビー・ジーズのナンバーだが、ファーストLPになったライヴの行なわれた1967年8月時点ではビー・ジーズのシングルは日本では発売されていなかったはずなので、コンサートでは加橋のコーナー自体が無かったのだろうか。
資料によれば、ビー・ジーズの日本でのデビュー・シングル「ニューヨーク炭鉱の悲劇」が発売されたのは1967年11月。
もっとも、英米では同年春にはリリースされてヒット・チャート上位にも登場していたし、何といってもビー・ジーズの日本でのレコード会社はタイガースと同じなので、曲や情報は真っ先に届いていたはず。

むしろレコード会社はビー・ジーズを日本で売るために、その曲をタイガースにステージで唄うように依頼していたとさえ思えるのだが。ビー・ジーズの日本盤シングル「マサチューセッツ」/このB面に「ホリデイ」収録
例えば、1967年12月13日のライヴである『The Tigers A Go! Go!』で加橋が唄っている「ニューヨーク炭鉱の悲劇」は、前月にシングルが発売されたばかりだし、もう1曲の「ホリデイ」が「マサチューセッツ」のB面として日本でシングル発売されるのは(資料によって日付が多少違うが)同年12月25日なので、発売直前の格好のプロモーションになったはず。
ちなみに、この「マサチューセッツ」は、発売3か月後の1968年4月1日付のオリコン・チャートで洋楽シングルとして初の1位を獲得したが、B面に収録された「ホリデイ」との両面ヒットという感もあり、やはり人気絶頂のタイガースがステージでカヴァーしていたことが(そして、タイガース自身のカヴァーはレコードとしてはリリースされなかったことが)、その見逃せない要因の1つだったとも考えられる。
そして、その2週間後に、ビー・ジーズっぽいとも言えるサウンドのタイガースの新曲「花の首飾り」がオリコン1位となったことは、見事な相乗効果だったのかもしれない。
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