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タイトル/ジャケット パッケージに関するデータ/コメント
トラ 70619/SALLY&SHIRO
サリー&シロー
(岸部おさみ&岸部四郎)
帯/帯コピーは「サリー・シローが追求する自由と愛の哲学 !! <全曲オリジナル> 等身大カラー・ポート付」 アルバム:トラ 70619/サリー&シロー
ジャケット裏面
(↑ジャケット裏面)
[LP] 1970年 2月 1日発売
レーベル:ポリドール(発売:日本グラモフォン)
レコード番号:MP-1474 価格:\1750

ジャケットは特殊仕様で、蛇腹状に折りたたまれたLPサイズ6面分のカラー・ポスター(両面印刷、下記写真)が貼付されている。
帯には「等身大カラー・ポート付」と記されているが、確かに6面分を合計すると1m80cmはあるので、宣伝文句に偽りは無い。
オリコンのLPチャートでは最高17位を記録。 ランクイン中の売り上げ枚数は16,000枚。
長い木箱の上には、タイガースのメンバーの他、このアルバム収録曲の作家達のコメント・メモ等が置かれているデザインだが、単なるコラージュではなく、これは「棺桶」で、それに入れる記念の品物というイメージか?
で、上記の箱の中には2人が、白い服で花に囲まれて横たわる…、やはりこれは「死体」のイメージ?

なお、1971年11月頃以降、発売会社名が「ポリドール」に変更された再プレスが、タイガースや沢田研二の『ジュリー』では存在するが、このアルバムのそうした再プレスは確認出来ていません。
また、規格番号の異なるLPでの再発売はありません。
カセット版での発売状況に関しましては、手元に資料がありません。
お年玉の残っている内にと(?)、1月3日より予約開始!
銀座・山野楽器による
特典付き予約広告
特殊ジャケットを紹介した写真が的確
「タイガースの異色LP」
として打ち出された広告
メイン・コピーは「ザ・タイガースの最新2大LP」
『ジュリー』とセットでの
追広告(園まりと2本立)
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[CDでの再発売]
CDの帯コピーは「アメリカでガレージ・マニアに人気の「YS-11」を含む 岸部おさみ・シロー兄弟によるアルバム。 コレクター垂涎の貴重盤復刻('70年2月発表)」[CD] 1995年 9月 1日 ポリドール
番号:POCH-1515 税込\1500
各社が当時プロモートした廉価な「Q盤」シリーズ(ポリドールでは「CD極上音楽」、略して「CD極楽」シリーズ)としてリリース。
LPのような特殊仕様ではないが、歌詩ブックレットにはポスター片側(ポートレートではない側)6面分を2面ずつ分割して縮小収録(ポートレート側は顔部分の1面のみ掲載)。
また、もともと無かったのだが、このCD用にもライナーは書かれなかった。
レコーディング・データ等
クレジットは無いが、渡辺プロのファンクラブ誌『ヤング』1969年12月号での岸部おさみによる記事では、11月中旬頃と判断される日の記述として「(レコーディングには)2か月近く掛かっているが、今までに6曲しか出来上がっていない」とある。
そうだとすれば、レコーディング期間は、おそらく1969年10月以降、11月中、あるいは12月上旬頃まで掛かったと思われる。
曲の内容に関するデータ/コメント
- 曲タイトル 演奏時間 作詩 作曲 編曲 歌唱
A面 1 自由の哲学
UNRESTRAINED PHILOSOPHY
11分55秒 山上路夫 クニ河内 クニ河内 *クレジットは無いが、岸部おさみと四郎
2 花咲く星
STAR IN BLOOM
4分51秒 山上路夫 加藤和彦 神谷重徳 岸部四郎/台詞=沢田研二
3 YS-11 3分12秒 (インストゥルメンタル) 小林勝彦 小林勝彦 (インストゥルメンタル)
*GSメンバーによるスーパー・セッション?
4 しま模様の空
STRIPED SKY
5分17秒 山上路夫 クニ河内 クニ河内 岸部おさみ
B面 5 愛についての一考察
A CONDIDERATION OF LOVE
4分31秒 山上路夫 かまやつひろし 村井邦彦 岸部おさみ
6 羊大学校歌 1番
A SHEEP-COLLEGE SONG, PART. 1
0分41秒 山上路夫 加藤和彦 神谷重徳 *クレジットは無いが、岸部四郎
7 愛の意識
LOVE CONSCIOUSNESS
3分11秒 山上路夫 渡辺茂樹 渡辺茂樹 岸部四郎
8 羊大学校歌 2番
A SHEEP-COLLEGE SONG, PART. 2
0分56秒 山上路夫 加藤和彦 神谷重徳 *クレジットは無いが、岸部おさみと四郎
9 白い街
WHITE TOWN
3分46秒 山上路夫 森本太郎 すぎやまこういち *クレジットは無いが、岸部四郎とおさみ
(森本太郎も参加?)
10 羊大学校歌 3番
A SHEEP-COLLEGE SONG, PART. 3
1分12秒 山上路夫 加藤和彦 神谷重徳 *クレジットは無いが、岸部おさみと四郎と誰か?
11 マザー・ネイチャー
MOTHER NATURE
2分53秒 瞳みのる 加瀬邦彦 クニ河内 岸部おさみ
*女性コーラスをフィーチャー
12 サンシャイン・フォー・ユア・スマイル
SUNSHINE FOR YOUR SMILE
3分50秒 岸部四郎 森本太郎 すぎやまこういち 岸部四郎
*コーラスには森本太郎も参加?
13 どうにかなるさ
IT'LL BE ALRIGHT
2分46秒 山上路夫 かまやつひろし かまやつひろし 岸部おさみ
*コーラスにはかまやつひろしも参加?
14 自由の哲学・エンディング
UNRESTRAINED PHILOSOPHY, ENDING
0分38秒 山上路夫 クニ河内 クニ河内 *クレジットは無いが、岸部おさみと四郎
このページの最初に戻る 「サウンド・クリエイター=山上路夫/かまやつひろし」のクレジットあり

このアルバムからのシングル・カットは無かった。

かまやつひろしシングル「どうにかなるさ」「白い街」と「どうにかなるさ」(1番部分)はタイガースの解散コンサートで唄われたが、発売されたライヴ盤『フィナーレ』には「どうにかなるさ」のみが収録。 また「白い街」は当時のTV番組「シャボン玉ホリデー」でもタイガース・ヴァージョン(サイド・ギターはジュリー)で唄われたことがある(このTV演奏ヴァージョンに関しては福岡の川上さんよりの情報によるものです。 ありがとうございました)。
なお、「どうにかなるさ」は作曲者のかまやつひろしが1970年4月5日にシングルとしてリリースした(オリコン最高50位、右の写真)。 同じアレンジだが、岸部版より少々テンポが速い(ちなみに、上記のタイガースのライヴ盤では逆に、かまやつ版よりもテンポが速くなっている)。 また、このLPのジャケットに掲載されている歌詩は実際の歌唱とは冒頭部分等がわずかに異なるが(実際の歌唱は、かまやつ版とほぼ同じ)、タイガースのライヴ盤では、このLPの掲載歌詩のように唄われている(つまり、必ずしもライヴで唄い間違えた訳ではないと思われる)。

タイガースの他のメンバーも作詩(瞳みのる)、作曲(森本太郎)、台詞(沢田研二)で参加。
他の作曲家としてはハプニングス・フォーのクニ河内、フラワーズの小林勝彦、スパイダースのかまやつひろし、ワイルド・ワンズの渡辺茂樹、同じく加瀬邦彦と、グループ・サウンズのメンバーが占めているが、単なるフォーク・グループに留まらなかったフォーク・クルセダーズ解散後、ソロ活動していた加藤和彦が参加しているのが目を引く。 1960年代後半の日本の重要な2つのグループ(奇しくも、いずれも京都出身)の唯一の接点?
また、かつてタイガースの音楽監督的立場にあった、すぎやまこういち、村井邦彦もアレンジャーとして参加している。

例によって、演奏者のクレジットは無いが、渡辺プロのファンクラブ誌『ヤング』1969年11月号によれば、人気GSからピック・アップされたメンバーが当ったもので、「レコード会社や所属プロダクションを越えた夢の共演盤」とのことだが、具体的な名前は明らかにされていない。 当然ながら、作曲者は演奏(やコーラス)にも参加していると思われるが…。

ちなみに、このアルバム・タイトルでの「1970年6月19日」とは、日米安保条約が自動延長される日付とのことだった(ただし、実際の日付は1970年6月23日のはずですが…)。
また、「トラ70619」という表記は、鉄道の貨車に付けられている(表側にペンキで書かれている)車両番号を模したものと思われる(もちろん、「トラ」=タイガー、ってダブル・ミーニングです)。 「ト」はトラック型=無蓋(屋根部分の無い)貨車のこと、「ラ」は荷物の積載可能重量(重さの区分によって「ム」「ラ」「サ」「キ」の順番で付けられる)、数字は車両形式(70000)とその何号車目か(619、ただし順番の番号は「0」から始まる)を示す。 実際に「トラ70000形式」の車両は存在するので、このアルバム・タイトルを見ると、鉄道車両マニアは「無蓋貨車70000形式の620番目の車両だな」と解釈するようです。 凝ってる?
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