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ジャケット/タイトル パッケージに関するデータ/コメント 曲の内容に関するデータ/コメント
シングル:野生の馬/シローとBREAD&BUTTER

シローと
BREAD&BUTTER
A面
野生の馬
B面
雨の日のあなたは

ジャケット表側を見開いた構図
(見開きジャケット表側)
1971年 4月10日発売
レーベル:ポリドール(発売:日本グラモフォン)
レコード番号:DR 1602 価格:\400

同じくタイガースのメンバーだった沢田研二と岸部修三が在籍したPYGのデビュー・シングル「花・太陽・雨」も同じレコード会社から同日発売となっているが、そちらのレコード番号はDR 1610であり、つながってはいない。

なお、タイガースのシングルではレコード会社名が「ポリドール」に変更された再プレスがあると判断されますが、このシングルに関しては売り上げが少なかったこともあり、ポリドールになってからの再プレス盤はないと思われます…。
見開きジャケット、構図は表側も内側も縦型

ジャケット内側を見開いた構図
(見開きジャケット内側)
野生の馬 [WILD HORSE] (3分43秒)
作詩=岩沢二弓/作曲=岩沢二弓/編曲=(このレコードにはクレジットが無いが、クニ河内、とする資料もある)

英語タイトルからローリング・ストーンズのアルバム『スティッキー・フィンガーズ』収録の「WILD HORSES」(日本タイトルはモロに「ワイルド・ホース」)が連想され、曲調も似通っているので、それにインスパイアされたのではないかと思われるが、実はストーンズのアルバムは日本では1971年6月、欧米でも1971年4月発売と、このシングルとほぼ同時期のリリースなのである。
ただし、同曲はストーンズのおなじみミック・ジャガーとキース・リチャーズのオリジナルだが、もともとはバーズにも在籍したグラム・パーソンズが結成したフライング・ブリトー・ブラザーズに贈られたもので、すでに1970年のアルバム『ブリトー・デラックス』に収録されていたことから、やはりそれを聴いて参考にしたのかもしれない。
タイガースのシングル「廃虚の鳩」のジャケット・デザイン時に参考にしたはずのバッファロー・スプリングフィールドの一件といい、岸部シローらしい音楽の趣味の広さと深さ(と反応の速さ)だと言い得るが、フライング・ブリトー・ブラザーズならば当時の日本では知る人ぞ知るバンドだったのに、その後ストーンズ自らもレコーディングしてしまって一般に知られる曲になったので、本人たちもアセったのでは…。

オリコン・チャートでは最高97位に1週間だけランクインして、その週の売り上げは2,000枚。
タイガース解散後のメンバーの最初のシングルとしてはいささか寂しいチャート・アクションだが、やはり「シローとBREAD&BUTTER」という収まりの悪い名義が示すように、人気GSタイガースのメンバーと、すでにデビューしていたフォーク系兄弟デュオ(岩沢幸矢と岩沢二弓)の合体には、どこかプロダクション主導のうさん臭さのようなものが感じられることで、それぞれのファンが背を向けたような気もする。

シローとBREAD&BUTTER 『Moonlight』この曲は、1972年3月10日に発売されたシローとBREAD&BUTTERのLP『Moonlight』(右の写真、ポリドール/MR 5012、1989年2月25日にCDで再発売=ポリドール/H25P 20312)に収録されたが、そこでは別テイク。 アレンジは大きくは変わっていないが、ピアノがフィーチャーされている。
ちなみに、そのアルバム・テイクにはミュージシャンのクレジットがあり、エレキ・ベース=後藤次利、ドラムス=林立夫、ピアノ=田中正子、アコースティック・ギター=石川鷹彦と岩沢二弓、またベイシック・アレンジ=岩沢二弓となっていた。
このアルバムには、他に加藤和彦、鈴木茂、駒沢裕城、堀内護、近田春夫、山内テツ、原田祐臣、柳田ヒロ、矢野誠といった面々が参加しており、今では日本のロック(&フォーク)系のレア盤となっている。

1992年11月26日リリースのオムニバスCD『ソングライター・ルネサンス-ポリドール・エディション-ロック編』(ポリドール/POCH-1165)や、2001年4月15日リリースのオムニバスCD『フリー・フォークの夜明け』(新星堂/SPW-10013)に収録されたのも、このアルバム・テイクの方。
雨の日のあなたは [RAINY DAY WOMAN] (3分38秒)
作詩=岩沢二弓/作曲=岩沢二弓/編曲=クニ河内

こちらの英語タイトルは、何とボブ・ディランの「RAINY DAY WOMAN #12&35」(1966年のアルバム『ブロンド・オン・ブロンド』収録、日本語タイトルは「雨の日の女」)のまんまではないですか。
A面のタイトルといい、このB面といい、決して冗談では無いのでしょうが…。
ちなみに、3人組でコーラス・ワークを基本にフォークともソフト・ロックとも言える音楽的アプローチをしていたグループとなれば、1969年にデビューし、ロックの新しいトレンドとして一世を風靡していたクロスビー、スティルス&ナッシュ(後でニール・ヤングも加わる)の影響と考えられるが、当時の日本で同じようなアプローチをしていたグループとして、ガロが挙げられる。
「ガロ」のネーミングはタイガースのマネージャーだった中井國二によるものとのことで、渡辺プロもGS以降の音楽トレンドをその辺りに捉えてもいたようだが、この岸部シローとBREAD&BUTTERの組み合わせが決定したことから、同じようなグループは必要ないとのことで、ガロは渡辺プロと契約出来なかったらしい。
そのためか、1970年11月にはライヴ・デビューしていたガロだったが、レコード・デビューは遅れて、1971年10月になってから、タイガースの後期の曲を書いた村井邦彦が関係するマッシュルーム・レーベルからとなった。
(ということでも、当方がディスコグラフィーを作成しているガロとタイガースはまったく関係ない訳ではないのです。 もちろん、ガロのメガ・ヒット曲「学生街の喫茶店」を作曲したのが、タイガースの初期の作曲家・すぎやまこういちだったことも)
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