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[欄外コラム(3)] 「可愛いアニタ」(「愛するアニタ」)の謎 [欄外コラム] のINDEXへ
ポリドールの録音日誌によれば、1967年7月7日(ただし、このあたりは日誌の日付記載が錯綜していて確定は出来ないのだが、いずれにしても7月上〜中旬であることは間違いない)に「可愛いアニタ」(これは録音日誌でのタイトル、後に「愛するアニタ」に変更)が録音されているが、この曲が(実際には「君だけに愛を」になった)タイガース4枚目のシングル候補曲だったという指摘がある。
しかし、前月6月26日(森本太郎の日記によれば7月4日)に3枚目のシングルになる「モナリザの微笑」等がレコーディングされたばかりなのだから、時期的に4枚目のシングル候補とは考えにくい。

当然ながら、世に出たレコードの評判や売り上げをみてから、次のシングルの方針を決めるはずであるし、2枚目の「シーサイド・バウンド」等が録音されたのは、デビュー曲「僕のマリー」がリリースされて約1か月後。
そして「シーサイド・バウンド」の発売から1か月以上過ぎて「モナリザの微笑」等のレコーディングとなっているわけだが、それが発売もされていないのに次のシングル候補曲の録音があるとは、ちょっと考えられない。
もちろん3枚目用シングルの候補曲としても、すでに「モナリザの微笑」「真赤なジャケット」そして「ノー・モア・ラブ」(未発表)の計3曲が録音されていたのだから、あり得ないでしょう。

また、この曲は作詩=山上路夫/作曲=加瀬邦彦と、3枚目までの橋本淳+すぎやまこういちコンビとはまったく違う作家によるものであり、この後も従来のコンビで4枚目の「君だけに愛を/落葉の物語」と5枚目の「銀河のロマンス」(カップリングの「花の首飾り」の作詩は別の作家だが、作曲はすぎやま)がリリースされたことからしても、シングル候補曲としては唐突な感じがする。
さらに、すぎやまは「タイガースの5作目までのシングルは全部で組曲のようになるように考えて作った」と証言している。
もっともこれは結果論だったのかもしれないにしても、最初にタイガースのイメージを決定づけ、続けてレコードの売上も好調な橋本+すぎやまのコンビから、この時期に作家を替える必然性はないと思える。([欄外コラム(8)] も参照/今のページにはブラウザー自体の「戻る」ボタンで

では、何のためのレコーディングだったのだろうか?
実は「モナリザの微笑」等のレコーディングに先だって、6月12、13日にファーストLP用と思える外国曲の録音がされている。 それから時間は多少空いてはいるけれども、そのLP用の補充的な1曲だったのではないか。([欄外コラム(5)] も参照/今のページにはブラウザー自体の「戻る」ボタンで
結果的にはファーストLPはライヴ録音盤となったため、すべてがオクラ入りになったわけだが、それにしても「可愛いアニタ」のレコーディングの理由は謎だ。
やはりワンズ版の方が、この曲には合っていたと思うがなお同曲は、タイガース解散後にラジオでオンエアーされた他、1974年11月21日に発売された2枚組編集LP『タイガース物語』Vol.1とVol.2の予約購入特典である4曲入りEP『THE TIGERS STORY』に「夢のファンタジア」「白いブーツの女の子」「Lovin' Life」と共に収録されて陽の目を見た。 また、同曲を含む、この時期のオクラ入り音源(の一部)は、後にボックスセットのボーナスCD 『LEGEND OF THE TIGERS』で発表されることになる。

さらに、この曲は、内田裕也が1967年秋に結成した「ザ・フラワーズ」のデビュー・シングルとして録音されたが、何故かオクラ入りしたまま、現在も未発表。
結局、作曲者の加瀬邦彦のバンドであるザ・ワイルド・ワンズが、1968年1月10日に「愛するアニタ」のタイトルでシングルとしてリリースした(右上写真)。
わずかに語尾の言い回しが違う部分があるにしても歌詩はほとんど同じだが、アレンジは異なる。
このワイルド・ワンズ・ヴァージョンを聴くと、特に植田芳暁のリード・ヴォーカルがあまりにハマッていて、タイガース・ヴァージョンがオクラ入りしたのも納得できるとはいえ、あくまでそれは結果論だったはず…。このCDのボーナス・トラックとして「愛するアニタ」収録

また、タイガースのライバル的存在だったザ・テンプターズのカヴァー・ヴァージョンも存在するので、聴き較べると面白いかも。
これは、当時のオムニバスLP『レッツ・ゴー!グループ・サウンド第3集』(フィリップス FS8016)に収録されていたもので、『カルトGSコレクション フィリップス編』でCD化されたが、テンプターズ『アンコール』のCD(テイチク TECN-20445/右下写真)にも収録。

ちなみに、関連する [欄外コラム(12)] 参照(今のページにはブラウザー自体の「戻る」ボタンで)
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